福知山市駅前町の市民交流プラザふくちやまで20、21両日、「平和のための戦争展」が開かれた。戦争遺品や戦時中の生活用品が展示されたほか、戦争体験談、特別講演などがあり、来場者が、戦争の悲惨さや平和の尊さを考えた。実行委員会主催。両丹日日新聞社など後援。
会場には、多数の軍服や軍靴をはじめ、金属節約のため強化紙でつくられた市民用防空紙帽、避難用の背負い袋、寄せ書きの日の丸などを展示した。敵機を早期に発見するための防空監視哨の模型や海軍福知山航空基地にあった搭乗員が退避する掩体壕の模型もあり、関心を集めていた。
このほか、有志が調査した市内の戦争遺跡・爪痕の記録を、写真入りで中学校区ごとに展示。銃剣訓練や畑で勤労奉仕をする子どもたちの様子を収めた戦時中の福知山の写真も多数並んだ。
戦争体験者が減る中で、次世代に語り継ぐことをテーマとしており、戦争体験者や元福知山高校教諭の田中仁さんによる「学校日誌から見えた戦争」と題した話、福知山出身で歴史学者として知られる福知山公立大学の井口和起学長の「福知山と戦争」をテーマにした特別講演もあった。
土師新町南の花城正明さん(73)は、夏休みで大阪から帰省中の孫の小学4年生、沖野源太君(10)を連れて来場。「戦争を知らない世代が増えています。戦争に関する展示物を見ることで、孫が少しでも平和の大切さを感じ取ってくれればうれしい」と話していた。
写真=戦争遺品や有志の調査記録などが並ぶ会場
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