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両丹日日新聞2016年8月20日のニュース

東京五輪通じ国際交流 ホストタウン京都府内3市町

ナボイ劇場 リオ五輪で日本選手団の活躍が続いた。この興奮の祭典が、4年後には日本を舞台に繰り広げられる。東京五輪・パラリンピックへの関心が高まる中、東京五輪ホストタウンへの注目も集まりだした。現在、福知山の近隣2市が登録されている。

 ホストタウンは東京五輪に向け、参加国の選手や住民と様々な形で交流することで地域を活性化させていこうとする、国の制度。登録された自治体は参加国や選手らとの交流費用について、関係省庁の財政支援を受けられる。

 これまでに第2次登録までが決まっていて、京都府では今年1月の1次登録で京丹後市が韓国とオーストラリアの、6月の2次登録で舞鶴市がウズベキスタン、大山崎町がスイスのホストタウンに決まった。

■シベリア抑留と引き揚げを縁に 舞鶴とウズベキスタン■

 舞鶴とウズベキスタンは「引き揚げ」が縁になっている。

 日本人は、あまりウズベクのことを知らないが、ウズベクの人たちは日本のことを良く知り、とても親しみを持っている。

 かつてシルクロードの交差点として栄えた中央アジアの国。ソ連崩壊に伴い1991年に独立した。

 終戦時の「シベリア抑留」でソ連全土に強制連行された日本人たちが、ウズベクでも水力発電所や学校などの建設現場で強制労働に就かされた。

 劣悪な環境と乏しい食事。気の毒に思ったウズベクの人が、収容所の柵の隙間からこっそりと食べ物を差し入れたところ、数日後、同じ場所に手作りの木のおもちゃが置かれていたことから、「日本人は勤勉で礼儀正しく、恩を忘れない。あなたも日本人のようになりなさい」と子どもたちに語り聞かせてきたというエピソードがある。

 現大統領のイスラム・カリモフ氏も、子どものころ毎週末に日本人収容所を訪れていて、「人が見ていなくても働く日本人のようになりなさいと母に教えられて育ち、大統領になった」と話している。

 首都タシケントにあるナボイ劇場は、457人の抑留者が建設に携わった。大きな被害をもたらした1966年の大地震でもびくともせず、日本人の名声を一段と高めることになった。現在では劇場に日本人抑留者をたたえるプレートが設置されている。
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 抑留中に亡くなった日本人の墓地が国内に11カ所あり、いずれも「ここに眠るのは国づくりに貢献してくれた恩人たちだ」として、きれいに手入れされている。

 こうした親日国を相手に、舞鶴市は東京五輪の直前合宿を誘致するほか、大使館直伝のウズベク料理を学校給食やイベントで提供するなど、スポーツ分野に限らず様々な交流を展開していくことにしている。


写真上=日本人抑留者たちが建設に携わったタシケントのナボイ劇場(2011年撮影)
写真下=ウズベキスタンの日本人抑留者墓地。「恩人が眠る場所」として大切にされている。記者が訪れた際も地元の人が掃除をしていた(2011年撮影)

    

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