福知山市三和町大原地区で進められていた産屋周辺の整備事業が終わり、府景観資産に登録されている里山の原風景を満喫する歩行者専用ルートが出来た。国道173号沿いのうぶやの里ロードパークで29日、地元自治会主催のしゅん工式が行われ、関係者約80人が出席し、うぶや地下道、うぶや橋とその間を結ぶ遊歩道の完成を祝った。20年来の悲願が実現し、地元住民は事故防止や観光振興につながることを期待している。
同地区には安産の神として知られる大原神社や府指定有形民俗文化財の産屋のほか、地元で選定した「大原八景」の名所などが点在する。しかし、これらは国道や川合川で分断され、行き来するには、見通しが悪く歩道のない国道を横断・通行し、川の中の飛び石を渡る必要があった。
このため、地元では事故防止を第一に考え、改善策を府や市に長年、要望してきた。
整備されたのは、地区を望める秋葉山展望台の登り口がある駐車スペース・ロードパークから、国道下をくぐり、産屋や御供田、桜並木、お釜さんのそばを通って川合川をまたぐ橋を渡り、大原神社下までを結ぶ延長340メートル余りの区間。
地下道は、延長約80メートル、幅3メートルで、車いすでの利用も考えてスロープを設けた。府が総事業費約1億1千万円で整備し、一昨年12月に完成した。橋は延長約17メートル、幅2メートル、遊歩道は延長245メートル、幅2・5メートルで、市が総事業費約7800万円をかけて整備し、今月に完成した。
しゅん工式には地元住民や来賓合わせて約80人が出席。片山米夫自治会長が「地下道と橋の完成で、観光客らが安心安全に通行できるようになった。美しい自然環境を守るために今後も頑張りたい」とあいさつ。来賓の大滝裕一・府中丹西土木事務所長と大橋一夫市長が、完成したルートが、自然景観を生かし、観光を軸にした地域づくりに役立つことを期待して祝辞を述べた。
テープカット、くす玉割りの後、出席者が地下道をくぐって橋へと向かった。大原神社の林秀俊宮司、地元の長老、池本源太郎さん(88)、吉見国蔵さん(83)を先頭に通り初めをした。
写真=うぶや橋の渡り初めをする関係者
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