福知山公立大学の井口和起学長が、開学から2カ月を経て順調に動き出した大学の様子や、今後の展望などを両丹日日新聞社に語った。地元京都府福知山市に限らず、兵庫県を含めた北近畿一円の市町、高校から「大きな期待をいただいている」と手応えを感じている。
これまでに京都、兵庫両府県の北部10市4町、33高校をはじめさまざまな機関・団体を回り、公立大の理念などを説明。それぞれの自治体から「若い人が地元に残ってほしい」との切実な声を聞いてきた。高校からは募集定員の地元枠を増やしてほしいとの要望を多く受け、「なんとか応えられないか」と検討に努めていることを明かした。
高校生たちの公立大へのイメージは「まだマイナス」だと認識。生まれ変わった姿をどんどんアピールしていくことで払拭したいと話す。
今後の大学の評価を高めていく上で、大きな力となるのは、4月に入学した1回生たち。1669人の志願者の中から合格して入学した58人とあって、みな学習意欲は高く「特に女子が元気」。2回生以上の成美大の時からいる学生たちも、張り切っているという。
今年度の福知山市からの入学者が5人だったことに触れ「もっと入学してほしい。その一方で、他府県からも優秀な人材に多く集まってほしい」と、限られた定員ならではのジレンマを語った。計画では、定員を今年度の50人から今後増やしていくことになっているが、「定員割れする心配はありません。ただ、それで満足するのではなく、何倍もの志願者が集まる大学にしていく」と自信を見せる。
大学をめぐっては様々な課題がある。これから学生が増えてきた際の寮・アパート▽現在の単独学部のままで運営していくのか、複数学部にするのか▽これまでの学生数を増やすための留学生ではなく、グローバルな視野を広げるための留学生受け入れや海外校との交流。隣接する京都工芸繊維大学との連携についても、具体的な中身を詰めていかなければならない。
井口学長はこれらへの考え、あるいは願いを前向きに語りながら、市街地に学生たちが出向いて行くよう空き家を活用したサテライト教室を開設する私案も披露した。
写真=「北近畿各地の期待の大きさを感じています」と語る井口学長。右は同席した総務企画・財務グループの足立斉さん
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