市政の変革を選択−。新人と現職の一騎打ちとなった福知山市長選挙は、12日に投開票された結果、無所属新人の大橋一夫氏(62)=北羽合=が2万1493票を獲得し、大差で勝利した。無所属現職の松山正治氏(78)=川北=は1万1962票で、9531票差をつけられ、3選を逃した。投票率は53・66%で、前回の54・72%より1・06ポイント下がった。
■大橋氏が現職破り当選■
大橋氏は、市民や後援会組織などから強い出馬要請を受け、市長選への重い決意を持って5月に府議を辞職。昨年12月に亡くなった父親で元府議・健氏の時代からの後援会を中心に、一枚岩になって選挙戦を展開した。出遅れ感はいなめなかったものの、政党や大きな団体の推薦を受けず「草の根」選挙で戦った。
選挙カーで旧3町や周辺部など、できる限り市内の隅々まで回って支持を呼びかけたほか、街頭演説も精力的に実施。また個人演説会では、スクリーンを用意し、プロジェクターで市の中期財政見通しや自身の政策を投映しながら丁寧に説明した。
期間中は「福知山を元気にする取り組みが見られない」と現市政を批判し、「今が大きな分かれ道だ」と主張。政策面では、観光客100万人の復活のほか、行財政改革の実行、中小企業サポートセンターの機能強化などを打ち出していた。
■松山氏、元気な姿見せたが及ばず■
松山氏は、市民交流プラザのオープン、2年連続の水害対応、そして福知山公立大学の開学など、2期8年間の実績を中心に訴え、4月に開学した福知山公立大について、「何としても良い大学にする」と繰り返し、支持を呼びかけた。
年齢に対する不安の声には、朝立ちやスポット演説、さらには桃太郎作戦で商店街などを歩き、夜の個人演説会も連日4、5会場で開くなど、市民に元気な姿を見せることで、払拭を図った。
また自民や公明など政党のほか、連合京都や市内の各種団体らが推薦し、地元選出で自民党幹事長の谷垣禎一氏、民進党、公明党の国会議員らが駆けつけ、組織力をフル活用したが、及ばなかった。
当日の有権者数は6万3114人(男3万647人、女3万2467人)で、投票者数3万3866人のうち、有効投票総数は3万3455票だった。
人口減少問題や治水対策、公立大学のゆくえなど、課題が山積する福知山市。1市3町合併から10年が過ぎたなか、新市長のかじ取りが注目される。
写真=バンザイをして当選を喜ぶ大橋氏ら
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