福知山城天守閣再建30周年を記念した「丹波福知山明智光秀サミット」(福知山市主催、両丹日日新聞社など後援)が、福知山市厚生会館で22日に開かれた。本能寺の変で“天下の謀反人”とされた光秀について、歴史家らが世間のイメージに隠された人物像を語り、来場者約900人が興味深く聴き入った。
静岡大学名誉教授の小和田哲男さんは講演で、歴史上では「負けた側が悪く書かれる」とし、光秀もその一例だったと解説。主君の織田信長が、宣教師の一人に「天皇に会う必要はない。わしがこの国の王である」と言ったという記録や、武田家の菩提寺を焼き払ったことなどをもとに、本能寺の変は「光秀が信長の恐怖政治に幕を引くことを、自分の仕事として位置づけていたのでは。やむにやまれずの世直しだった」と語った。
このあと、光秀にゆかりのある京都府福知山市、亀岡市、長岡京市の市長や小和田さんらがパネルディスカッション。「亡くなった最下級の武士を供養する目配りをした」「家族思いだった」というエピソードのほか、縁戚の細川家の子孫でコーディネーターの細川珠生さんは「正義の人と教えられている」とした。
光秀を主人公としたNHK大河ドラマが実現した場合について、歴史通のタレント・松村邦洋さんは、光秀役に竹中直人さんや堺雅人さんを挙げて、得意の物真似を披露するなどして会場を盛り上げていた。
また、信長から徳川家康の饗応役を命じられた光秀が用意した「安土御献立」が、成美大学短期大学部の教員や学生らによって再現され、会場で披露された。
写真=パネルディスカッションに参加した松村さん(右)と小和田さん
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