京都府福知山市出身の歌手、和田光司さんが3日、がんのため亡くなった。42歳だった。テレビアニメの主題歌を歌い、海外にもファンが多かった。若くして発症し、音楽活動を2度中断したものの、そのたび復活して人びとに勇気を与え続け、「不死蝶のアニソン歌手」とも呼ばれていただけに、悼む声が多い。
■福知山市出身の歌手■
和田さんは1999年4月に「デジモンアドベンチャー」のオープニング主題歌「Butter−Fly」でメジャーデビュー。独特のかすれた声が人びとをひきつけた。人気番組となった「デジモン」シリーズのほとんどの作品で主題歌、挿入歌、エンディング曲を担当。特にデビュー曲は東南アジアや中南米でもヒットした。
そんな矢先の2003年、29歳の時に上咽頭がんを患い、音楽活動を中断して治療に専念。05年に復帰を遂げ、海外にも精力的に出向きファンたちと交流。07年には、福知山市の市制70周年記念事業でミニライブを開いている。ところが11年10月に再発。再びの音楽活動中断をツイッターで報告すると、全国のファンから激励と、「活動再開を待っています」とのツイートが続いた。
こうした声にも支えられ、13年10月に音楽の世界へ戻って来ていた。
所属事務所のSOLID VOXによると、11年の再発は胸の奥の縦隔にがんが見つかり、手術は出来ない状態。放射線と抗がん剤治療を2週間受けて2週間休むという闘病生活が続き、12年に一度治療を終えたものの、3カ月後には肺に再発して、復帰が13年になっていた。
最後まで病と闘う姿勢を見せ、3月29日にはツイッターで「たしかに自己の免疫力が上がれば、病に対抗する最強の力になる。病は気から…ならば、気で病は治せる。本気でそう思ってる。その為には本気で心を変えていかないとね。今日も自分なりの本気で…」などとつづっていた。
葬儀は近親者のみで済ませた。ファンが参加できる「お別れの会」が、今月下旬に都内で開かれる予定。
写真上=2007年の市制70周年記念事業でミニライブとトークショーをした際の和田さん
写真下=アニソン歌手として人気を集めた和田光司さん
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