福知山市社会福祉協議会(松田規会長)は、災害時に視覚・聴覚障害者が避難補助や支援を受けやすくするための専用ビブス(識別用のベスト)を作った。夜間でも見分けやすい蛍光色を使い、障害者であることがすぐに周囲に伝わる。市内在住の対象者に無料で配る。
■東日本大震災教訓に製作■
東日本大震災による障害者(手帳交付者)の死亡者の比率は、震災全体の死亡者比率に比べて約2倍と高い数値になっているとの統計結果が出ている。福知山市内でも近年、花火大会屋台爆発炎上事故、2年連続の水害があったことから、非常時の障害者支援の一つとして導入した。
ビブスは視覚障害者用と聴覚障害者用の2種類があり、外出時は持ち運べるようコンパクトにたためる。
視覚用は黄色で、ビブス背面に白杖を持って歩く人の姿を描いた「盲人のための国際シンボルマーク」と「視覚に障害があります」の文字が入っている。
聴覚用はオレンジ色で、背面に「耳マーク」と「聴覚に障害があります」の文字を入れた。
■夜間も想定し反射素材を採用■
本来、両方のマークは色が固定されているが、夜間や暗所での発見に役立つ反射素材を使いたいと、窓口になる社会福祉法人日本盲人福祉委員会、一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会とそれぞれ協議して調整し、色を変える許可を得た。
市内に住民票がある視覚・聴覚障害者の人数を基本に、視覚用270枚、聴覚用340枚を製作。赤い羽根共同募金の分配金98万8100円を充てた。
福知山市内関係3団体へのビブス贈呈式が29日、内記二丁目の市総合福祉会館であり、視覚・聴覚障害者と支援者計20人が出席。ビブスを受け取った人たちがさっそく着用した。
市視覚障害者協会の足立健さん(74)=下篠尾=は「周りの方にひと目でわかってもらえるというのがうれしい」と喜ぶ。支援者で妻の登美子さん(75)も「家族としても周囲の方に伝えやすくて助かります」と話していた。
松田会長は「素早い避難はもちろんですが、避難所についてからも障害がある方は声を出しづらい。ビブスを周知して、社会全体で支援できる仕組みにしたい。各団体に未所属の方にも広めていく必要がある」と話していた。
ビブスの問い合わせは市社協=電話(25)3211、ファクス(24)5282=へ。
写真=市社協が作った視覚障害者用災害時使用ビブス
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