中丹高次脳機能障害者と家族の会「さくら」は4月から、福知山市民病院の会議室を借りて、高次脳機能障害者を対象にしたグループ訓練をする。京都府北部では初めての試みで、自分自身の障害に気づく力を身につけて社会復帰をめざす参加者を募っている。
この障害は、交通事故や病気などで脳が複雑なダメージを受け、その後遺症で、物忘れや集中力の低下を招いたり、感情のコントロールが難しくなる、周りを気にせず自分勝手にやってしまうなど、さまざまな症状が出るという。
あきらめずに適切なリハビリを継続すれば改善し、社会復帰を果たしている人もいる。しかし家族会によると、京都府北部では入院(急性期)後は、外来でリハビリ訓練を受けられる医療機関がなく、多くの交通費をかけて府南部まで通院する必要があるという。
こうした実情を、昨夏に開いた学習会に招いた関西総合リハビリテーション専門学校、神戸大学大学院保健研究科の作業療法士、本多伸行さんに伝え、訓練の講師依頼をしたところ、ボランティアで来てもらえることになった。
計画によると、4月17日に個別面談をしてそれぞれの現在の能力を評価し、目標を決める。7月3日から10月9日までの日曜日午後1時から同4時まで計13回、3、4人ずつのグループをつくり、訓練を続けて社会適応能力を身につける。
12月18日に個別面談をし、最終評価をして目標達成度などの確認をする。「参加者がともに活動を繰り返すことで、自ら足りない点に気づき、今よりもスムーズな社会復帰につなげる」という。
参加無料だが、訓練で調理実習をしたり、交通機関を利用した場合などは実費がいる。
家族会は昨年6月、京都府に北部へのリハビリ機関設置や支援コーディネーターの配置を要望している。
家族会の上原さんは「ボランティアで指導いただく本多先生や会場を無償提供いただく市民病院の協力もあり、訓練ができる場を設けることができました。この障害を抱える人や家族にとって大きな前進です」と話している。
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