ペダルをこぐと動き出す人力式の蒸気機関車型模型「なかよし号」を、京都府福知山市石原の塩見上さん(78)が作った。運転席のひもを引くと警笛が鳴るなど、いろいろな工夫がしてあり、「市内のイベントなどで貸し出して、子どもたちに喜んでもらえたら」と話している。
「じっとしているのが嫌いで、一から何かを作るのが好き」という塩見さん。板金業の傍ら、水陸両用自転車や足踏み式肩たたき機などいろんな物を製作してきた。
今回は子どもが喜ぶものが出来ればと、動くSL模型を作ることにし、昨年4月に着手。友人らに協力してもらいながら試行錯誤を繰り返し、1年がかりで仕上げた。
車体は鉄板と木材、鉄骨、車輪は不用になった一輪車と自転車のものを再利用。正面に取り付けたチャーミングな顔は断熱材を使い、廃品や誰でも手に入る素材を中心に使用した。
大きさは、長さ1・8メートル、幅1・2メートル、高さ1・7メートル。動輪は一輪車で、2台横並びにくっつけて設置し、片輪ごとにハンドル、サドル、ペダル、ブレーキが付いており、自転車をこぐ要領で進む。2人でこぐこともできる。
車体や車輪には、紙に描いた花の絵などを貼り付け、可愛く見えるようにしたほか、黒板のようにチョークで絵が描けるよう、車体の素材にガルバリウム鋼板を使用。イベントに合わせ、デザインを変えられる工夫もした。
また車輪の回転に合わせ、煙突から荷造りひもと綿で作った“煙”が出たり入ったりする仕掛けも。さらに木製の転車台と、分解できる全長27・5メートルのレールも手作りした。
友人の孫らを誘って試運転をしたところ、大きな不具合もなく、レールの上をなめらかに走行。塩見さんは「ばっちりやね」と喜んでいた。
試乗した大正小の塩尻彩貴さん、庵我小の金山晴香さん(いずれも6年)は「2人で乗れるし、足でこいで進むのが楽しいです。車体も可愛いくて、手作りで出来ているところがすごい」と話していた。
写真=完成したSL模型「なかよし号」と塩見さん(右)ら
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