消防団員が高い梯子(はしご)の上で放水の演技をする階梯(かいてい)操法が13日、福知山市消防団上夜久野分団によって披露された。15年間途絶えていた伝統の操法を復活させようと、団員一丸となって訓練に励み、見事に演じた。
夜久野町額田の教育文化会館グラウンドで行われた市消防団夜久野ブロック春季訓練の中で披露した。
階梯操法は、町火消しの心意気を示す儀式として江戸時代から行われ、全国各地で引き継がれている。夜久野分団では、1959年に旧夜久野町と上夜久野村が合併して新たな夜久野町が発足し、夜久野町消防団が結団されて以降、披露してきた。
京都府内で引き継がれているのは上夜久野分団と城陽市の消防団だけで、城陽はかつて、上夜久野から指導に行って始まったという。
上夜久野では団員不足などから途絶えていたが、以前行われていたことを知る西田智彦分団長が、消防団の魅力づくりのひとつになるのではと、復活を発案した。分団内の3つの部から11人を選出してもらい、28歳から47歳の団員で班を組織。衣川忠弘さん(40)を班長に、昨年11月から訓練を重ねて完成度を高めた。
演技は、6人が長さ6・2メートルの竹製の梯子を担いで所定の場所まで行進し、衣川班長の号令に合わせて8人がとび口という道具で梯子を立てて支えた。ここに筒先を付けたホースを持った足立良成さん(33)がのぼり、梯子に足を絡めて放水するしぐさをした。
演技終了後、班員らは「梯子のバランスが崩れると、ねじれたり倒れたりするので、立てるところがとても難しかったですが、うまくできました」と口をそろえた。
梯子にのぼった足立さんは「筒先を落とすと事故になるので気を使いましたが、うまくできてよかったです」と笑顔を見せた。
西田分団長は「2年に1回くらいは行い、技を引き継いでいきたい」と話していた。
写真=8人が支える梯子の上で放水の演技をする足立さん
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