関西電力は29日午後5時、福井県高浜町の高浜原発3号機の原子炉を起動、再稼働した。30キロ圏内の緊急時防護措置準備区域(UPZ)に入る福知山市大江町では、稼働1時間後の午後6時から、市民有志による抗議活動があり、再稼働に憤慨する声が上がった。
定期検査のため運転を停止していた3号機の稼働は、2012年2月以来、約3年11カ月ぶり。原子力規制委員会の新規制基準に合格したものとしては国内3基目になる。
大江町では有路下地域がUPZ圏内に入り、202世帯、484人(昨年12月末現在)が暮らす。
抗議活動は河守の国道175号沿いで、12年7月以降、毎週金曜日の午後6時から30分程度実施している。この日も雨の中、「原発いらん」「なくそう原発」と書かれたのぼりを持ち、無言の抗議活動をした。このうちの1人、岩松英昭さん(73)=佛性寺=は「福島の事故が終息していないのに再稼働はおかしい。また事故が起きたらだれが責任を取るのか。廃炉までやり続ける」と強い口調で語っていた。
関電の八木誠社長は29日、「私自らが先頭に立ち、安全の取り組みに終わりはないということを肝に銘じ、規制の枠組みにとどまることなく、自主的かつ継続的な安全性向上対策を推進し、原子力発電の安全性のさらなる向上に、全社を挙げて取り組む」とコメント。2月下旬に本格運転させる予定でいる。
写真=無言の抗議をする市民有志
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