世帯数が5世帯と少なくなったものの、地元の神社の祭礼を途絶えさせずに続けている地区がある。福知山市三和町田ノ谷。19日に八幡神社の厄神まつりがあり、近くの西松、中出、辻などから参拝者が訪れて1年の無病息災を願い、普段はひっそりとしている境内がにぎやかになった。
同地区は丹波市春日町に抜ける三春峠のふもとに位置する。現在約15人が暮らしていて、祭礼は役割分担している。
この日は午前5時ごろから準備。雪がちらつき、辺りはうっすらと雪化粧し、氏子たちは参拝者が減るのではと気にしていたが、次第に青空が広がり、境内がにぎわい始めた。
参拝者は末社の厄神社を1周してから手を合わせ、礼服を着た宮当番の足立隆幸さん(60)から、お神酒や細かくしたお供えの餅を受け取っていた。6年前に兵庫県川西市から三和町中出に引っ越してきた山崎邦男さん(71)、文子さん(65)夫婦や年配者も参拝し、かがり火の前で、焼いた厄除け餅を振る舞われ、氏子と和やかに話し込んでいた。
谷口信義自治会長(77)や足立さんらによると、参拝者は今では30人ほどに減少。しかし、昨年から岩見義隆さん(65)が周辺地域に祭礼を知らせる看板を立てかけるなどPRしている。また、祭礼のたびに帰省して手伝ってくれる出身者もいるという。
氏子たちは「かつて宮当番は神社の前にある川で行水して身を清め、羽織袴を着ていましたが、近年では簡略化しています。しかし、祭礼は曜日に関係なく1月19日にしています。人数は少ないですが、ずっと伝統ある文化を絶やさないように守っていきたい」と笑顔を見せていた。
写真=参拝者に小さな餅が入った袋を渡す足立さん
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