「鉄道のまち福知山」をPRする福知山市新町アーケード内の福知山鉄道館ポッポランド(足立和義館長)の入館者が、増加に転じている。一昨年4月に西日本鉄道OB会福知山地方本部が運営を引き継ぎ、元鉄道マンならではのアイデアを生かして模様替えなどを進めた結果、入館者は昨年度から一気に増えている。
鉄道館は1998年9月、空洞化が進む中心市街地活性化への期待を込め、空き店舗を活用して開館した。旧国鉄関係の資料や、1923年から半世紀にわたって福知山−大江間で運行していた北丹鉄道の関係資料、蒸気機関車C57の動輪などを展示。近くの2号館にはC58の実車が静態保存されている。Nゲージ模型を使った高架前の福知山駅周辺のジオラマも展示の目玉となっている。
■展示マンネリ化などで一時は1万人割る■
14年度までの入館者の累計は25万人余り。開館2年目は2万8938人を数えたが、その後徐々に減少。04年度から12年度までは年間1万1千人−1万2千人の間で推移し、13年度は9524人に落ち込んだ。
この背景には、展示のマンネリ化や、御霊公園などで2日間開かれてきた「ミニSLフェスタ」の規模縮小(10年から)など、さまざまな要因があった。
運営を引き継いだOB会福知山地方本部では、鉄道ファンに特化した施設ではなく、幅広い年齢層が鉄道に親しめる施設にしようと模索し、策を講じてきた。
旧福知山鉄道機関区詰所で長年使われていた大きな掛け時計を展示物に加え、さらにプラスチックのレール上を電池式の鉄道模型が走る玩具で遊べるキッズコーナー、鉄道書籍の閲覧などができる憩いの広場を館内の一角に新設した。子どもたちが描いた鉄道絵画展や鉄道ファンによる写真展にも力を注いだ。
有志のスタッフ15人が交代で詰めているが、旧福知山鉄道機関区でSL機関士を務めた人たちが中心で、往時の鉄道に精通しており、来館者に体験談を交えながら展示品の説明をしている。
こうした成果が表れ、14年度は前年度比41・6%増の1万3484人に。今年度は2カ月半を残し、17日現在ですでに1万3914人になった。
足立館長は「ひと昔前の鉄道の懐かしさを感じられる施設で、鉄道をテーマにしたテレビ番組が増え、鉄道ブームになっているせいか、関東や九州など遠方からの来館者が増えています。入館無料で、親子連れや学校からの来館も目立ちます」と言う。
さらに「この分だと今年度の来館者は開館5年目の約1万6千人台まで戻りそうです。一層充実した内容の施設にし、福知山の鉄道の歴史を伝えていきたい」と話している。
開館時間は午前10時から午後5時30分まで。木曜日休館。
写真=家族で来館し、キッズコーナーで遊ぶ子ども
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