福知山市私市、佐賀小学校(衣川博校長、28人)の児童たちが折った千羽鶴に支えられ、手術を乗り越えて元気になった綾部市鍛治屋町の高倉敏明さん(70)が16日、同校で紙芝居をした。高倉さんは「お返しができて良かったです。一生忘れることはありません」と、思いがかなって、ほっとした表情を見せた。
■遠足を縁に、綾部の男性が佐賀小で■
児童たちは5月の遠足で、学区内の三坂峠を越えて綾部市鍛治屋町を訪れ、地元公民館で高倉さんの紙芝居を見た。児童たちのお礼の寄せ書きに対し、高倉さんが返信。遠足の帰り際、児童が「弱音を吐かずに帰りましょう」と言って6年生が1年生の手を引いて帰って行った場面に心を打たれたこと、また、自分自身のこととして、弱音を吐かずに手術を受けようと思っていることなどをしたためた。
手術のことを知った児童たちは、千羽鶴を折って贈ることを提案。1人30羽以上を目標に1年から6年まで全員で合計千羽折り、衣川校長が直接届けた。
千羽鶴は、入院した舞鶴市内の病院の病室に飾り、高倉さんは大動脈瘤を取り除く心臓血管手術を受けて無事退院することができた。
この日、児童に紙芝居「じごくのそうべえ」を聞かせた高倉さん。「手術をしたとしても、寝たきりになる可能性がありましたが、千羽鶴で勇気が出ました。無事に終わったのは児童たちのおかげ。小さな手で折ってくれたと思うと、うるっときます」と言い、「人を思いやる子どもたちは、(佐賀)地区や学校、家庭で育まれたものだと思います」と話していた。
「早く病気が治ってほしいと思って折りました」という6年生の大槻泰智君は「遠足がきっかけで、高倉さんに何度も出会えてうれしいです」と感謝の気持ちを伝えた。
写真=児童たちに紙芝居を聞かせる高倉さん
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