福知山市は24日、福知山公立大学の学長に、元京都府立大学長で市出身の井口和起氏(75)=京都市中京区=を選任した、と発表した。会見に出席した井口氏は「私が生まれ育った古里のため、『市民の大学、地域のための大学、世界とともに歩む大学』という理念の実現に、まい進したい」と力強く語った。井口氏は、運営母体となる公立大学法人の理事長も兼任する。任期は来年4月から4年間。
日本近現代史が専門の井口氏は、福知山高校を卒業後、京都大学に進学。大阪外国語大学で助教授、京都府立大学で教授などを務め、1998年から6年間、同大学の学長を務めた。府立総合資料館長なども歴任した。
また市総合計画審議会、4年制大学のあり方に関する有識者会議、公立大学検討会議の委員長にも就いており、これまでから市の行政とも深い関わりがある。
松山正治市長は「市の課題はもちろん、公立大学の役割や方向性を熟知しておられ、かじ取りをお願いできる人は、井口さんしかいない」と太鼓判。「これ以降は、井口さんのリーダーシップのもと、教育・研究内容の決定や人事・組織体制の整備といった開学準備を進めていきたい」とした。
教学内容について、井口氏は「座学中心ではなく、地元の企業や農家などに学生が出向いて、互いに学び合う実践型の授業にしたい。それには教授らの意識を変える必要がある」と、教授陣の意識改革にも意欲を見せた。
また今後の大学を見据え、「当初は地域経営学部の1学部2学科で、1学年の定員は50人からスタートする。ただし、2年後以降に学部構成の改革など、スピード感を持って検討していきたい」と語った。
福知山公立大は、福知山市西小谷ケ丘にある成美大学の校舎などを活用し、来年4月に開学予定。公立大学法人の設立、大学の設置者変更の申請が、24日に府や文科省から認可されたことを受け、市は学長兼理事長予定者を発表した。
写真=福知山公立大学の学長兼理事長に選任された井口氏
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