冬将軍の到来を前にＪＲ福知山支社は19日から、積雪に備えたラッセル車の試運転を始めた。福知山市半田の福知山電車基地では同日、出発前点検で車両頭部の除雪ウイングの開閉などに支障がないかを調べた。

　支社はＤＥ15形ディーゼル機関車の前後にラッセルヘッドを連結した長さ約30メートルのラッセル車2編成を、福知山電車区豊岡支所に配置している。線路に降り積もった雪を進行方向の左側に押しのけて進む複線用と両側にかき分ける単線用がある。

　初日は福知山電車基地で試運転を控えた複線用ラッセル車を、福知山保線区の3人が点検。ラッセルヘッドの前方に立つ社員が、運転士に手で合図を送り、雪を線路横に押し出すウイングや、線路上の雪をかき出す爪状のフランジャーという装置がスムーズに動くかを繰り返し確認した。

　このあと、夜間を利用して山陰、舞鶴両線を経由し、福知山駅から東舞鶴まで往復した。複線用ラッセル車の試運転は20日まで、単線用ラッセル車は24、26両日に行う。

　出動の目安は積雪がレール面から30センチあり、さらに上積みされそうなとき。ここ数年の出動は、山陰線の豊岡より下り区間が中心で、昨シーズンは3回だった。

　福知山電車区の林太郎区長は「万全の準備をして、お客さまを安全に運びたい」と話していた。


写真＝ラッセル車のウイングの開閉を確認する社員