貴重な国産・丹波漆を使った豪華なバスが完成した。10日に京都市の京都府庁で、14日には福知山市夜久野町額田、市夜久野ふれあいプラザでの漆の講演会で、一般公開する。
京都交通が府北部(舞鶴・綾部・福知山・亀岡)−東京(浜松町・品川)を結ぶ高速バス路線に導入するため、NPO法人丹波漆や、丹後織物工業組合などに協力を求めて造った。
車体後部は丹後ちりめんの着物をイメージした鮮やかな花模様のデザインで、車体前面から側面に流れるようにJ字型のカーブを漆で描いた。
朱の顔料を混ぜた漆を塗り、その上に半透明の透漆を塗り重ねた「朱溜塗」という技法を使い、カーブ後方は漆で貼り付けた金箔の上に半透明の漆を塗り重ねる「白檀塗」の技法を駆使した。
漆を車体デザインに採用したバスは日本で初めて。最大の弱点となっている紫外線にも強い漆を作り出し、走行中などにできる傷への耐性も高めての導入。塗りを担当したNPOの若手職人、竹内耕祐さんは「試行錯誤を繰り返し、ようやく納得のいくものを納めることができました」と話している。
■ゴールドマン・サックスの元金融調査室長らが講演■
10日の府庁での公開では、知事も見学する予定。14日は午前中に南丹市で開催の「京都新光悦村・琳派フェスティバル」で公開した後、夜久野へ移動。午後0時30分から1時間、一般公開する。会場屋内では1時から講演会「なぜ日本産漆、丹波漆は必要か」が開かれる。だれでも聴講できる。500円。
講師は世界最大の投資銀行ゴールドマンサックス社で金融調査室長などを務めた後、日本の国宝重要文化財などの修繕をする小西美術工藝社の社長に転身したデービッド・アトキンソンさん▽京都府立大学大学院の椎名隆教授▽公益財団法人美術院国宝修理所の藤本青一所長。京都市産業技術研究所理事の大藪泰研究室長を交えてのトークも。問い合わせはやくの木と漆の館、電話0773(38)9226。
写真=貴重な漆を使って独特の光沢を生み出したバス。車両全体は一般公開で見ることができる
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