福知山市の光ファイバー網を使った「ｅ−ふくちやま」事業の民営化に向けて、有識者と市職員計5人でつくる審査委員会（野村靖仁委員長）は、事業を委ねる優先交渉権者に「ケイ・オプティコム」を選定し、このほど松山正治市長に報告した。

　応募した民間事業者は2者。テレビ、インターネットの月額利用料と今年度から2028年度までの市の負担額は、ケイ社（光ファイバー網による提案）はテレビ1500円▽インターネット2953円から▽負担額19億5千万円。他社（ネットは光ファイバー網、テレビは無線を提案）はテレビ750円から▽インターネット3200円から▽負担額15億5100万円と提案していた。

　テレビの月額利用料は現行500円。ケイ社は1千円、他社は250円それぞれ負担増になるが、ケイ社は「自社で集金、維持管理などを行う」とする一方、他社は「地元などの運営で集金、維持管理などを行うことなどが前提。収納代行も設定し、別途350円必要」などの違いがあった。

　審査結果報告書では「利用者の負担に併せて利用者や市の労力的な負担も評価した」と講評。ケイ社について「事業運営にかかわる利用者の負担は3倍の使用料となるため、利用者の理解を得るための工夫が必要であるが、提示金額は他市の事例とおおむね同等の金額設定。安定したサービス提供が評価された」としている。

　市は今後、年内にも基本協定を締結する予定。締結前と締結後には地元説明会を実施することにしている。


写真＝審査委員会から市長にケイ・オプティコム社選定を報告した