特急「こうのとり」「きのさき」などのマークを付けてJR山陰線、福知山線を走っていた381系車両が30日、引退した。福知山駅では同日、「ありがとうセレモニー」があり、関係者らが見送った。
クリーム色に赤のラインが入った国鉄色の特急車両として、全国で唯一定期運行されている列車だっただけに、引退を惜しむ声が多く、ホームは最後の姿をカメラに収めようという鉄道ファンであふれた。
ありがとうセレモニーは、「こうのとり26号」(城崎温泉発新大阪行き)、「はしだて10号」(天橋立発京都行き)の到着前の午後7時から始まった。JR西日本福知山支社の前田洋明支社長が「多くの方が381系を愛してくれました」とあいさつ。来賓の松山正治市長は「思い出の詰まった381系です。ごくろうさま」と言葉を送り、2本の列車が相次いでホームに入ると、鉄道ファンらが一斉にフラッシュを浴びせた。列車の運転士に花束を贈った後、石岶雅之駅長の合図で、それぞれの列車が出発し、拍手で送り出した。
立原の森山順平さん(44)は「国鉄色の特急がなくなるのは寂しい。楽しみが一つ減ってしまう」と話し、381系を使った新大阪行きの最終便「こうのとり28号」に乗り込んだ。
国鉄色の特急車両は、1958年に東京−神戸・大阪間を結ぶ「こだま」に採用されて以来、定着。87年のJR発足を機に独自の色に塗り替えられる例が多かった。
381系は曲線区間でもスピードを保てる振り子式の画期的な車両だったが、製造後、約40年が過ぎて老朽化が進んでいた。
写真=関係者に見送られてラストランに出発する国鉄色の381系
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