さまざまな鉄道模型電動車を作り続けている福知山市正明寺の元JR社員、伊藤成光さん(73)が、JR西日本の福知山、山陰線などを31日から走る特急形の新型車両289系の製作を進めている。計画している3両編成のうち、すでに先頭車1両は完成している。
伊藤さんは40歳のころから、鉄道模型電動車を作り始めた。今までにJRの北陸新幹線や京都丹後鉄道の「くろまつ」、SLの「アンパンマン号」など20種類以上を製作。いずれもバッテリーを積み、モーターを動力源に子らを乗せて走らせることができ、多くのイベントで引っ張りだこになっている。
289系は、30日で定期運行から引退する旧国鉄色の381系に代わって投入される車両。「鉄道のまち福知山のPRにつなげたい」と、9月中旬から計画を温め、写真をもとに独自の設計図を描いた。
今回完成した先頭車は、連結時に車両間を行き来できない流線型の非貫通タイプのもの。長さ約2・4メートル、高さ約75センチ、幅約80センチ。コンパネや鉄板を使って車体を組み立てた。モーターはシニアカーに使われていたものを再利用しており、スピードの微調整が可能で、力強く安定した走りができる。子どもが6人ほど乗れる座席を取り付けている。
もう一種類ある貫通タイプの先頭車や中間車をさらに手がけており、3両を連結すれば、子どもなら20人程度が乗車できるという。完成へ向けて作業を進めている。
伊藤さんは「廃材を使っているので、かかる費用はわずか。色、形状とも本物に近くなるように鉄道に詳しい方の指摘を受けて、その都度手を加えています。乗車会で子どもたちに喜んでもらい、鉄道の増客につながればうれしい」と話していた。
写真=完成した289系の先頭車に乗る伊藤さん。もう一つは11年から運行している287系
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