「なかなか予約が取れない」とされている東京都内の人気店から一流シェフたちを招いて、中丹地方のジビエ生産者と交流してもらう取り組みが、福知山市夜久野町などで行われた。参加したシェフたちは実際にシカ肉を試食して絶賛。夜久野産は東京でも人気を得られるかを問われると、「もちろん!」と即答した。
首都圏での中丹ジビエの普及を図るため、京都府が18、19両日に迎えた。参加したのは沖縄サミットでイタリア首相の専属料理人を務め、テレビ番組にも多く出演しているヒロソフィーの山田宏巳さん、福知山市出身で国内最大の若手料理人コンテスト「RED・U35」初代グランプリに輝いたラ・フィネスの杉本敬三さんら4人。人気店のシェフがそろって出かけるとあって、飲食業界や食通たちに読まれている料理雑誌が同行して取材した。
一行はジビエに合う栗や米、キノコなども見て回り、夜久野のシカ肉は19日に視察。山中に分け入り、シカがワナにかかっているところから確認し、田舎暮らし社のジビエ食肉加工施設(直見)で、丁寧に食肉処理されていく過程を見学した。
食肉や様々な食材に精通していて、これまでからジビエを扱い、処理施設も見聞きしてきた料理のプロたちだが、夜久野のジビエ処理は独特で驚くことの連続。様々な角度から質問を繰り出し、「いのちを大切に扱っている。おいしく食べるための処理が清潔に、これほど丁寧に行われていることにビックリした」「自分の目で確かめたことで、店でもお客様に自信を持って勧め、説明出来るようになった」などと感想を話し合っていた。
視察後は、処理したばかりの肉と、14日間熟成させた肉を食べ比べて「それぞれに食感が全く違うが、どちらもくせが無くおいしい」と絶賛。山田さんは「東京では赤身肉のブームが来ている。このシカ肉ならバッチリ。あとは東京と丹波をどう結ぶかだ」と話していた。
府中丹広域振興局は、11月に杉本さんの店で首都圏のシェフらを対象にしたランチ試食会、来年2月には都内でフェアを開き、夜久野のジビエをPRすることにしている。
写真=夜久野のシカ肉を試食して絶賛する山田さん(左)、杉本さん(右)らシェフたち
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