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両丹日日新聞2015年10月 5日のニュース

蒔絵や金箔施した豪華なエレキ やくの木と漆の館で展示

漆塗りのエレキギター 漆塗りのエレキギターを集めた「ときめき」と題した作品展が、福知山市夜久野高原の農匠の郷内にある「やくの木と漆の館」で開かれている。国産漆を塗り込んで、蒔絵、金箔、象嵌などを施した作品は、きらびやかで、来場者を魅了している。

 出品しているのは舞鶴市の松本太郎さん(66)。米国のバンド・ベンチャーズに憧れ、高校生のときからギターを弾き始めたが、市販のモデルでは自身が納得する音が出ず、改造を続けた。5年前から同館を訪れ、漆塗りの技法を覚え、オリジナルのエレキギターを製作している。

 漆塗りにこだわる。「ウレタンやラッカーを塗った市販のギターでは、塗装面が厚く、音を効率よく引き出せない。でも伸びの良い国産漆を使えば、10分の1程度の厚みに抑えることができ、理想的な音色を出せる」という。

 楽器にもよく利用される外材のバスウッドを使い、途中まで成形されたボディーやネックを手に入れ、漆を塗っては乾かして磨き上げるという地道な作業を10回以上繰り返す。エレキギター用のビンテージパーツを使って組み立て、蒔絵や貝、真ちゅうの象嵌、金箔、銀箔などを飾り付けて仕上げる。ボディーの裏側に般若心経などを入れた手が込んだ作品が多い。12本を並べている。

 松本さんは「漆を塗り込むだけで2、3カ月、1本を完成させるのには1年ほどかかります。音を追求するだけでなく、豪華な装飾を施すことで、プロでも満足ができる作品に仕上げ、希望する方に譲っています」と話していた。

 同展は27日まで。時間は午前10時から午後5時まで。毎週水曜日休館。観覧無料だが、他の展示室を見る場合は入館料320円(中学生以下無料)がいる。


写真=職員の説明を受け、漆塗りのギターを見る来場者

    

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