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両丹日日新聞2015年9月 1日のニュース

五十鈴荘考案の介護用クッション 産学官連携で商品化

ポジクッション 福知山市大江町二俣の特別養護老人ホーム五十鈴荘で考案された介護用姿勢保持クッションが、産学官連携で商品化された。作業療法士、岡本三千代さんのアイデアをきっかけに、五十鈴荘、静岡県の寝具ウレタン加工業者や大学などで開発した。

 岡本さんは、要介護者の姿勢保持をするポジショニングを研究していて、姿勢保持の道具として以前はタオルを寄せ集めてクッション代わりにしていたが、タオルの重ね方の調整が難しく、扱いには一定の技術が必要だった。クッションの既製品は外国製はあったが、体が小柄な日本人には使いにくかった。

 試行錯誤をしていた6年ほど前、布団の打ち直しの綿を大量に手に入れた時にひらめいた。「無いなら日本人の体型に合わせた長さや幅を調整したクッションをつくればいい」。綿を詰め込んで仕上げた試作品を五十鈴荘の現場に導入したところ、介護職員から「使いやすい」と好評を得た。

 商品化へと動き出したのは4年前。五十鈴荘の理学療法士、神内昭次さんが、ポジショニング研修会の場で岡本さんのクッションを紹介したところ、静岡県の加工業者・丸井商事(井木英之社長)と静岡県立大学短期大学部社会福祉学科介護福祉専攻の関係者が関心を示した。

 静岡県工業技術研究所の技術協力も得て共同開発されることになり、岡本さん、神内さんも、井木社長、同大学の天野ゆかり助教らと協力して、実践データの収集などで関わった。こうして丸井商事の医療介護向け自社ブランド商品・RAKUDESUシリーズの「ポジクッション」として完成。規格は岡本さんの試作を踏襲している。

 インターネット販売などで全国展開されており、五十鈴荘の監修として紹介されている。岡本さんは「介護現場で喜ばれているということがうれしいです」と話していた。


写真=岡本さんのアイデアをきっかけに商品化されたポジクッション

    

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