福知山市は、過疎高齢化が深刻で、生鮮食料品などを購入できる店がほとんどない福知山市夜久野町に、小売業などの商業施設を誘致する。場所は、国道9号沿いの旧夜久野町役場跡。今夏設立した住民主導の組織「夜久野みらいまちづくり協議会」も、買い物弱者の問題を解消し、地域に愛される店として営業してもらうために応援する。出店者の募集は9月下旬から始める。
夜久野では長年続いた上夜久野、下夜久野の商店街が解散後、下地区のJR下夜久野駅舎に協同組合によるパルテが開店。しかし、採算が合わず03年に閉鎖して以降、生鮮食料品などを扱うスーパーはなくなった。上地区には個人商店が残っているものの、多くの住民は市街地や隣接する兵庫県朝来市へ買い物に行っている。
しかし、7月末現在、町内の65歳以上の高齢者比率は46%余りで、一人暮らしのお年寄りや高齢者世帯も年々増え、車を所有していないために買い物や通院が非常に不便だと漏らす住民が多い。
06年春には、下夜久野の額田、井田の6自治会長らで組織する額田・井田街づくり推進協議会が、役場跡地に地元住民の要望が強いスーパーの誘致を進めようと、市に要望書を提出する一方、独自に複数の業者に出店を打診したが、立地条件や採算性などの理由で難しく、話は暗礁に乗り上げていた。
■みらいビジョンに盛り込む■
今回、市が誘致に踏み切ったのは、まちづくり協議会が、若者定住策などを盛り込んだ指針「夜久野みらいビジョン」の中で、跡地に食料品店などの誘致をすることを項目に掲げているのが大きな理由という。
募集要項は市のホームページに載せている。31日午前10時から、額田の夜久野ふれあいプラザで募集要項説明会を開く。
倉垣康子・市夜久野支所長は「行政、文化、医療、金融機関などが集中する下夜久野駅近くに商業施設は欠かせない」とし、「住民が住み慣れた地域で安心して暮らしていく新しい仕組みづくりが重要。夜久野や周辺地域の利便性の向上に寄与する魅力的な商業施設を設置するため、事業者の積極的な提案を募集します」と呼びかけている。
まちづくり協議会の衣川裕次・やくの創生会議委員長は「買い物ができる店がほしいという住民要望が多数ある。今回の市の誘致は、ビジョンが反映されたもので、協議会としても行政、出店業者を交えて住民の方々のニーズに応える店が運営ができるように協力したい」と話している。
写真=国道9号沿いの旧夜久野町役場跡地
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