中丹地域の3市が合同で利用する有害鳥獣の焼却処理施設が、福知山市大江町三河に完成した。30日に竣工式典を行い、9月1日から稼働する予定で、駆除隊員の労力軽減につながり、捕獲が進むものと期待されている。
有害鳥獣による農作物被害は、毎年大きく、農家にとって深刻な問題となっている。また捕獲した有害鳥獣は、駆除隊員が各自で土中に埋める処理をしなければならず、隊員の労力負担や埋設地の確保などが課題とされていた。
このような状況のなか、隊員の労力を軽減することで、捕獲の推進を図り、農作物を被害から守ることを目的に、同様の被害に悩む舞鶴、綾部の各市と合同利用する焼却処理施設を大江町に整備した。
地元の理解も得て昨年6月に着工し、今月24日に完成。3494平方メートルの敷地内には、焼却炉棟、会議研修棟、車庫棟を建てた。
焼却炉棟は、鉄骨造り高層平屋建てで、延べ床面積は324平方メートル。主燃焼炉や再燃焼炉、排ガス冷却装置、集じん装置、保管用冷凍庫などが配置されている。
1回の焼却量は最大380キロとなっており、燃焼から冷却に4時間かかることから、一日あたり2回運転が限度。シカに換算すると、一日に19頭を処理できる計算になるという。
年間でシカ2655頭、イノシシ1305頭、小動物245頭の総重量134トンの持ち込みを見込んでいて、週4日ほどの稼働で対応できるという。
会議研修棟、車庫棟を含め、総工費は約3億8400万円。特に被害が多い福知山市が実施主体となり、約1億4800万円を負担。ほかの2市が有害鳥獣の捕獲頭数などで算出した金額を負担し、国から1億6千万円の補助も受けた。
■各地に一時保管用冷凍庫■
また各市には、一時保管用冷凍庫を設置。福知山市内では、三和町に1台、夜久野町に2台、報恩寺に1台、牧に3台を置き、駆除隊員が指定された冷凍庫に捕獲した有害鳥獣を持ち込み、施設の職員が収集用冷凍車で回収する。大江町の隊員は処理施設に直接運ぶ。
写真=完成した有害鳥獣処理施設の焼却炉棟
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