観客3人が死亡、54人が重軽傷を負う大惨事となった一昨年夏の福知山花火大会屋台爆発炎上事故から15日で丸2年となった。厳しい残暑で、朝から汗ばむ天気のもと、事故現場となった福知山市の音無瀬橋下流の河川敷近くの堤防上に設けられた献花台には、被害者の家族や市内外の人たちが次々に訪れ、犠牲者の冥福を祈った。
事故は一昨年の15日午後7時30分ごろに起きた。火元の屋台店主(40)=業務上過失致死傷罪で禁錮5年が確定=が、給油しようとしてガソリンの入った携行缶のふたを開けて噴出させ、引火した火で竹内弘美さん(44)、黒田直希さん(35)、山名空君(10)=年齢はいずれも当時=の3人が犠牲となり、負傷者が多数出た。いまだにやけどの跡が消えないだけでなく、精神的なダメージが大きく、苦悩の日々を歩み続けている負傷者や家族もいる。
■今後とも負傷した方々の支えになる 松山市長■
大会を共催した福知山市の松山正治市長は市議会議員らとともに献花。「こういう事故を二度と起こしてはならない。亡くなられた方の冥福と、通院されている方々の一日も早い回復を願っています。負傷された方の精神的なケアについて努力しているが、今後とも支えになっていきたい」と語った。
■被害者救済と再発防止徹底を求める 家族会■
妻子ら親族5人が負傷した被害者家族会の盛本英靖会長(48)は、献花台で静かに手を合わせたあと、「被害者の回復は長期化している」とし、「主催者や行政は、被害者救済と事故の再発防止を徹底してほしい」と語気を強めた。
長男夫婦と孫の女児が負傷した塩見幸和副会長(69)は、「中学2年になる孫は事故の記憶がよみがえるフラッシュバックに悩まされ、昼夜が逆転し、学校もほとんど行けない状態。長期的な治療に対する補償の確約を得たい」と訴える。
写真=献花し、静かに手を合わせる被害者家族会の3人
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