3時間39分に及んだ熱闘は、再試合目前の延長15回裏2死走者なしから、三塁打と送球がそれる間の生還、わずか1分のツープレーで、劇的に幕を閉じた。わかさスタジアム京都で26日にあった第97回全国高校野球選手権京都大会準決勝第1試合、京都共栄が立命館宇治にサヨナラ負けを喫した。敗れはしたが、共栄の素晴らしい戦いに市民が大きな拍手を送っている。
共栄は25日の準々決勝で城南菱創を6−3で破り、40年ぶり2回目の4強入りを果たした。
初の決勝進出を狙う共栄にとって、一瞬の悪夢だった。6−6の同点で迎えた延長15回裏。先頭打者に安打を許したものの次打者を一飛の併殺に仕留め、再試合が濃厚と思われた場面で、立宇治の9番山下が中越打。外野からの送球は打者走者に当たって三塁側フェンスまで転がり、カバーに回った共栄の主戦浅井が態勢を崩しながら懸命のバックホームでクロスプレーに持ち込んだが、生還を阻むことはできなかった。突然の幕切れに共栄ナインは泣き崩れ落ちた。
京都共栄
400020000000000=6
300003000000001=7
立命館宇治
◯…共栄は初回表、立ち上がりの悪かった立宇治の左腕、主戦山下を攻め、四球と3番大西の安打で走者をためて、内野ゴロの間に3走が生還して先制。なおも2死満塁から7番倉掛、8番福田の連打などで3点を加えた。
共栄の先発は今大会初登板の左腕菅田。速球派の菅田から、下手投げと横手投げを使い分け球種が豊富な変則右腕の主戦浅井につなぎ、強打の立宇治打線を翻弄する作戦だった。
菅田は、制球に苦しみ初回に3失点するも、2回以降は低めの速球を中心に組み立てて無失点でしのいだ。
共栄は、5回に2死一、三塁から菅田が中越2点適時二塁打でリードを広げて得意のバットで活躍したが、6回に足をつり同点打を浴びて降板。救援の浅井にマウンドを託した。
7回以降は、共栄の浅井と、復調した立宇治山下の投手戦。両チームとも守りが堅く、あと一打が出ずに延長最終15回までもつれこんだ。
写真上=延長戦最終15回裏、2死走者無しの場面から一転、打者走者が本塁へ
写真下=今大会を投げ抜いてきた主戦浅井
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