来年4月の開学をめざし、福知山公立大学(仮称)の設置準備を進める福知山市が、「新たな公立大学市民説明会」を始めた。19日までに計5回開く。初回は駅前町の市民交流プラザふくちやまで11日夜に開催。約70人が参加し、大学の概要などの説明を聞いた。
■市民から質問相次ぐ■
あいさつに立った嵳峩賢次副市長は「6月末時点での市の人口は、8万68人となっており、この10年で4千人減りました。これまで経験したことのない人口減少、高齢化を食い止める政策が必要で、若者の定住が運命を握っている」とした。
続けて「このような状況のなか、京都工芸繊維大学が、市に北京都分校を設置する話も進んでいます。新たな公立大と連携し、学術都市として発展させる最大の好機で、新たな公立大を、地方創生の一歩にしたいと考えており、ご理解をお願いします」と語った。
このあと市公立大学検討事務局が、公立大設置の意義や経緯、目指すべき大学像を説明した。
まず公立大学は、「若者人口を確保する最も効果的な装置である」と解説。フィールド研究重視の実践的な教育システムを採用し、大学全体が地域実践を行う「実践学習デー」を設けたりすることで、特色を出していくという。
市民の負担については、国の財政支援を活用するなどして、「最小限に抑えたい」としたが、開学から5年間で約8億円の赤字が出るとの想定に対し、理解を求めた。
また市民へのメリットは、学びや起業、地域活動への支援のほか、地域の課題解決を積極的に進める点を挙げた。課題解決では、地域・大学連携推進組織を立ち上げ、「共同研究のテーマを募集し、プロジェクト化していく」とした。
参加者からは、「府や近隣市町から、財政的な協力はあるのか」「結局は成美大の救済ではないのか」など質問が相次いだ。
「教授陣はどうなるか」との問いには、「まずは現在の教授陣から候補者を選考し、不足教員については公募などにより、決めていきたい」と回答していた。
■旧3町でも順次開催■
説明会はこのあと、14日に三和荘(三和町寺尾)▽16日に夜久野支所(夜久野町額田)▽17日に大江支所(大江町河守中央)▽19日に成美大学(西小谷ケ丘)で開く。時間は19日のみ午後4時から6時まで。ほかは午後7時から9時まで。事前申し込み不要で、誰でも参加できる。
写真=多くの市民らが市の説明に耳を傾けた
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