舞鶴市が全国へ向けてのイメージアップ、地域ＰＲにと映画、ドラマのロケ支援を行う組織、舞鶴フィルムコミッションを立ち上げ、活動している。市内で次々と撮影が行われ、これまで全国の劇場スクリーンで、そして家庭のテレビで舞鶴が映し出されてきた。8月には、昨年にロケがあった映画「日本のいちばん長い日」の全国ロードショーが始まる。

　フィルムコミッションは02年10月に市と商工会議所、観光協会で設立した。事務局を市に置き、コミッションと連携する「連絡協議会」を、海上自衛隊舞鶴地方総監部や第8管区海上保安本部、京都府、警察署などで結成。更に市民や事業所に呼びかけ、エキストラ協力や撮影隊へのサービス協力などを行う「サポータークラブ」を設けた。

　05年には反町隆史さん、中村獅童さん、鈴木京香さんらの映画「男たちの大和」が、北吸の赤れんが倉庫群で撮影された。その後も本木雅弘さん、阿部寛さん、香川照之さんらの出演で09年から11年にかけて放送されたＮＨＫのスペシャルドラマ「坂の上の雲」。松下奈緒さん、椎名桔平さんらが出演したフジテレビ「鴨、京都へ行く」などのロケ地となり、アニメ映画「名探偵コナン・絶海の探偵」の制作支援を行うなど、いくつもの話題作を支えてきた。


■役所広司さんらで「終戦の日」描く　来月に特別上映■

　今夏公開の「日本のいちばん長い日」は、昨年の秋から冬にかけて舞鶴ロケが行われた。

　1945年8月15日、終戦の日をテーマにした作品。「一億玉砕」を唱え戦争を続けようとする人びとと、戦争を終わらせようとする人びと。それをただ見守るしかなかった人。クーデターを企てる青年将校たち。様々な群像と葛藤を描いた半藤利一さんの原作を、「クライマーズ・ハイ」「わが母の記」の原田眞人監督・脚本で映像化した。

　出演は役所広司さん、本木雅弘さん、山崎努さん、堤真一さん、松坂桃李さんら。



　舞鶴ロケは赤れんがパーク、旧海軍の弾薬庫跡、砲台跡、東郷邸、企業社宅などが撮影に使われた。エキストラとして参加した市民も100人を超える。

　こうした協力があったことから、特別上映会が7月に3日間、赤れんがパーク・市政記念館ホール（市役所隣）で開かれることになった。9日から11日にかけてで、時間は各日とも午前10時、午後0時45分、3時30分、6時15分。一般1800円、学生1500円、高校生1200円、シニア1100円、小人1000円。

■8月放送ドラマも■

　映画のほか8月にはテレビドラマも放送される。テレビ朝日系の「妻と飛んだ特攻兵」で、出演は堀北真希さん、成宮寛貴さんら。今月13日まで3日にわたり市内ロケがあり、約50人がエキストラとして撮影に参加した。

　こうした戦争関係の作品だけでなく、ミュージックビデオやＡＫＢメンバーの写真集の撮影協力もしている。


写真上＝演技指導を受けるエキストラ　(ｃ)2015「日本のいちばん長い日」製作委員会
写真下＝昨年12月に舞鶴市内で行われた撮影　(ｃ)2015「日本のいちばん長い日」製作委員会