WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2015年6月10日のニュース

高齢者の運転免許返納が増加 バス代補助など市の支援が後押し

運転経歴証明書 自主的に運転免許証を返納する高齢者の申請件数が、福知山市内で増えている。昨年は前年の3倍を超える178件で、今年は更に多くなりそう。バスの定期代大幅補助など市が昨年10月に始めた75歳以上の返納者への支援事業が後押ししている。

 高齢ドライバーによる事故は全国的な課題。京都府内では年間事故発生件数が2005年から14年までの10年の間に半減し、約1万件程度になっているが、高齢ドライバー事故(65歳以上)は1800〜2100件と横ばい状態で、結果として14年の全事故に占める割合は05年の1・8倍になっている。

 今後さらに社会の高齢化が進むなかで、高齢者事故抑制の一手として、高齢者運転免許証自主返納制度が進められている。

 福知山は自動車の必要性が高いため、自主返納は低調に推移していたが、市が昨年10月から始めた「市高齢者運転免許証自主返納支援事業」によって増加した。

 自主返納者数は、13年が54件で、市の支援事業が始まった14年に178件と増えた。今年は5月までで既に139件と更にペースが早い。

 市の支援事業の主な特典は、警察署で発行され身分証明書としても使える運転経歴証明書の交付手数料1千円を奨励金として出す▽市内を走るバスなどで使える市敬老乗車券2冊(6千円分)か、市指定タクシー会社のクーポン券(5千円分)を交付(1人1回限り)▽支援事業と合わせて、15年度から敬老乗車券の購入上限を3冊から5冊に拡大など。

 75歳以下の人でも特典があり、運転経歴証明書を提示することで、市バスとまちなか循環路線バスの1カ月定期券8400円を2千円で購入でき、市内の協賛事業所45カ所で割引や特別サービスを受けることができる。協賛事業所には周知のポスターが貼ってあり、店舗一覧は市ホームページに掲載している。

 市の支援事業を受ける申請は、市役所2階生活交通課でできる。申請期限は自主返納日から1年間。家族の代理申請も受け付けている。問い合わせは電話(24)7084の同課へ。

■交通の便悪い地域でも特典活用■

 三和町芦渕の主婦、岡部さん(78)は、14年8月に自主返納した。

 三和町地域は鉄道がなく交通の便が良いとは言えない。それでも自主返納を決めたのは、家族の理解と、市の支援事業を知ったことが大きかった。「敬老乗車券の特典はありがたいです。車は車検など維持費がかかるし
、燃料費も高い。いい機会だから運転をやめようかな」と、40年の運転生活を終えた。

 府食生活改善推進員の役員をしていたため、今年4月までは京都市内に行くことが多かった。交通手段はこれまでは自動車だったが、自主返納後はバスで最寄りのJR綾部駅まで行き、電車に乗るスタイルに変わった。

 不便といえば不便だが「やっぱり気を張って運転していたとは思うので、ハンドルを握らないようになって楽になったところはあります」と話していた。


写真=運転経歴証明書を持つ岡部さん

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ