プロの狂言師に指導を受けた子どもから大人までの市民11人が6日、福知山市中ノの市厚生会館で舞台に立った。一流演者を迎えて毎年開かれている「狂言を観る会福知山公演」での一コマ。稽古を重ねたかいあって、観客を大いにわかせ、会場いっぱいの拍手を浴びていた。
ステージ関係者らによる市民団体・福知山狂言会(牧野公一代表)主催。市、両丹日日新聞社など後援。
和泉流、大蔵流を交互に迎えていて、今年は和泉流から重要無形文化財総合指定保持者の小笠原匡さんらを迎えての公演。古典3曲が上演され、一番の注目は市民が登場する「茸」だった。
出演者を公募し、小学生から大人まで計11人が名乗りを上げた。4月から稽古が始まり、小笠原さんが福知山まで足を運んで、泊まりがけで演技を指導。狂言の世界観など精神面も教えつつ、舞台の立ち位置や手足の動きなど、丹念に教え込んでいった。
事前の合同練習が計4日。当日開場前に最後の仕上げ稽古を行い、いざ本番。小笠原さん演じる山伏が、屋敷の庭に生えた不気味なキノコをなんとかしてくれと頼まれ、もったいぶりながら祈祷を始めると、キノコが無くなるどころか増えてくるという筋で、舞台袖から次々登場してくるキノコが市民たちの役。手作りの笠、面をつけて順に登場し、山伏の動きに合わせて舞台上でくるくる回転する姿がゆかいで、出演者たちが大まじめに一生懸命演じるほど客席の笑い声も大きくなった。
プロの演者たちの所作の美しさと、子どもたちのかわいい動きが相まって円舞のような舞台が出来上がると、客席は拍手喝采。大盛り上がりとなって幕を閉じた。
カーテンコールで全員が舞台に再登場し、口々に「しんどかったけど、やって良かったです」と感想を述べ、満足の笑みを見せていた。
この日はほかに和泉流の山本豪一さん、泉慎也さんも出演。「因幡堂」「舟ふな」を演じた。
写真=小笠原さん演じる山伏と市民が演じるキノコが滑稽な舞台を作りだした
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