福知山市厚中問屋町の写真愛好家、大地洋次郎さん（74）宅で28日、国蝶で「森の宝石」とたとえられるオオムラサキの羽化が始まった。飼育小屋の中で青紫色の光沢のある羽を広げて優雅に飛び回っている。

　オオムラサキは環境省・レッドリストの準絶滅危惧種に指定されている。大地さんは15年前から、自宅にしっかりとした飼育小屋を建てて育てている。今年の羽化は例年と比べ10日ほど早いという。

　28日午後に1匹、29日朝にも1匹が羽化。ともに雄で、羽を広げた大きさは12〜13センチ。大地さんが作った人工樹液を餌にしている。

　7月初旬ごろまで羽化は続くという。成蝶は6月中旬ごろから、食草のエノキの葉に卵を産み付け始める。

　今年は300匹以上が羽化すると予想している。大地さんは「4月から5月にかけて暖かい日が続いているため、羽化が早まったようで、今年は数も多いようです。自然界では見る機会が少なくなっているので、興味のある人は見に来てください」と話している。


写真＝羽を広げて体を休めるオオムラサキ