京都府木津川市で2011年11月5日、4歳の男の子が交通事故で亡くなった。この子が生前育てていたヒマワリの種を誕生日に植え、交通事故抑止のシンボルにしようという取り組みが進められている。福知山署など府内各署で18日、種が植えられ、署員らが悲しい事故の防止へ誓いを新たにした。
■「生きた証し」両親の思い受け■
亡くなったのは、東陽大君。陽大君は事故に遭った年、幼稚園で育てていたヒマワリの種を、小さい手いっぱいに握って自宅に持ち帰っていた。両親は種を大切に保管しており、翌年に種をまいたところ、大きな花を咲かせた。
この事故を担当した木津署の署員が秋に、両親から「来年も咲かせてほしい」と種を託され、自宅で栽培した。署員は14年3月に亀岡署へ異動になったが、両親の「息子が生きた証しを残したい」との思いをつなげようと、同署の花壇にも種をまき、夏に大輪の花を咲かせた。
その後、種を府警本部の犯罪被害者支援室が譲り受け、14年10月に「ひまわりの絆プロジェクト」が始動。府内の全署に種を配布し、陽大君の誕生日に合わせて植え、交通事故防止のシンボルとして大切に育てることにした。
福知山署では、事前に署員が縦36センチ、横3・6メートル、高さ35センチあるヒノキのプランターを製作。交通安全への願いを込めて、三浦俊博副署長ら10人が20粒の種を植え、家入紀幸署長が水をかけた。
家入署長は「遺族の思いを尊重し、福知山署でも大きな花を咲かせたい。たくさん種がとれて、ゆくゆくは近畿地方、そして全国にこのプロジェクトが広がればうれしい」と話していた。
写真=交通事故防止の願いを込めて種をまいた
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