WEB両丹

きょうあったいい話、夕飯までに届けます。京都府福知山市の情報を満載した新聞社サイト

タブメニュー

両丹日日新聞2015年5月16日のニュース

茶園復活で地域盛り上げ 夜久野の西垣地区

山間部の茶園 かつて質の高い両丹茶の産地だった福知山市夜久野町西垣で、住民たちが「西垣の魅力再発見実行委員会」をつくり、耕作放棄された荒廃茶園の再生に取り組んでいる。活動3年目となる今年は、23、24両日にイベントを開き地域を盛り上げる。

 山間部にある西垣地区には、現在23世帯、82人が暮らす。以前は計10ヘクタール余りの茶園があり、ほとんどの家が茶を栽培、出荷していたが、年々減り、近年は3世帯が主に自家消費用に細々と世話するだけになっていた。

 そこで2013年2月に荒廃茶園の再生を決め、京都府の「ふるさと保全活動」補助を受けて自治会、老人会、子ども会、女性の会・すみれ会などの関係者で実行委(中島正泰委員長、23人)を結成した。

 メンバーが協力して、山間部や民家近くにある4カ所の茶園計1ヘクタール近くを対象に、下草刈りやせんてい、行き来する道作りをするなどし、活動の舞台を1年がかりで整えた。

 代々茶生産を続けてきた老人会員から栽培技術を学び、都市住民を迎えての茶摘みイベントも催し、世代間・農村都市交流につなげている。

 栽培を辞めて間がない茶園が多かったため、大半が2年目から茶摘みができるようになり、昨年のイベントでは30キロ余りの茶葉を収穫。製茶後、参加者や地元の全世帯に配った。その後も実行委がこまめに世話を続けており、順調に育っている。

■摘み取り体験や新茶の試飲など23、24日に催し■

 今年のイベントには、京都府南部の子どもたちや近隣市町のAET(英語指導助手)、親交のある名古屋大学生、地元の人ら約80人が参加する予定。23日は午後1時30分から茶摘みをし、同7時30分から地元公民館で、京都市を拠点に活動する沖縄三線の「鴨三グループ」の演奏会を開く。

 24日は午前10時から開会式をしたあと茶摘みをし、昼食で鹿肉カレー、山菜の天ぷら、ホンモロコのフライなど地元食材を使った料理を提供。このあと、手もみ製茶をし、香り高い茶を試飲する。今年は60キロ以上の収穫をめざしており、製茶後、参加者に送る。サツマイモの苗挿しもする予定。

 実行委の中島千弘さん(71)と中島頼孝さん(68)さんは「町内唯一の製茶工場も昨年操業を停止し、茶摘みの光景を見る機会が減りました」と寂しがりつつも、「茶の生産・加工過程を知ることは、手間を知り、物の大切さや生活の知恵を知る貴重な場になります。初めて見る茶園や自分で製茶した茶の味に感動する人も多い。地域活性化のため、来年以降もイベントを続けていきたい」と意欲を見せる。


写真=再生され、良い枝ぶりになっている山間部の茶園

    

[PR]



株式会社両丹日日新聞社 〒620-0055 京都府福知山市篠尾新町1-99 TEL0773-22-2688 FAX0773-22-3232

著作権

このホームページに使用している記事、写真、図版はすべて株式会社両丹日日新聞社、もしくは情報提供者が著作権を有しています。
全部または一部を原文もしくは加工して利用される場合は、商用、非商用の別、また媒体を問わず、必ず事前に両丹日日新聞社へご連絡下さい。

購読申込 会社案内 携帯版 お問い合わせ