江戸時代前期から第二次世界大戦前まで広まった庚申(こうしん)信仰に基づいて建てられた石塔「庚申塔」の特別展が、福知山市大江町仏性寺、日本の鬼の交流博物館で開かれている。庚申塔の実物や写真などを展示し、路傍の「文化財」にスポットを当てている。6月14日まで。
庚申信仰は、中国の道教の思想に由来。人間の体内にいる三尸(さんし)という虫が、60日ごとに巡ってくる庚申の日の夜、人が眠っている間に天帝に人の悪事を報告しに行き、怒った天帝がその人を早死にさせてしまうとされる。これを避けるために住民たちによる庚申講がつくられ、信仰の対象として庚申塔が建てられようになったという。
福知山市内では北西部に約160基あり、三岳山周辺に数多く見られる。展示しているのは、玄武岩に青面(しょうめん)金剛像や使いの3匹の猿などを刻んだ夜久野町の庚申塔や田和の木造庚申塔。近畿で最大とされる下佐々木にある庚申塔(高さ244センチ)の拡大写真(実寸大)など計約70点が並ぶ。
塩見行雄館長は「庚申塔は住民の身近にある石仏で、地域の歴史を物語るものでもあり、見てもらい再評価してほしい」と話している。
入館は大人320円、高校生210円、小中学生160円。庚申塔に関する図録の販売もしている。電話0773-56-1996。
写真=実物の庚申塔も展示している
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