天橋立を見下ろす「ふるさとミュージアム丹後」、京都府立丹後郷土資料館(宮津市国分)が館内展示のリフレッシュを終えた。これを機に企画展「開け! 丹後の宝箱」を開催。めったに公開しないものを含め、国重要文化財など貴重な史料を多数展示している。
これまで常設展示は通史で時代ごとにまとめていたが、5カ月かけて大規模な展示替えを行い、4月からは考古、歴史、民俗の3分野に絞り、「古代丹後の王権」「天橋立の世界」「丹後の廻船・北前船」「丹後の漁撈」「丹後の織物」といったテーマ別に分かりやすく史料を並べた。
企画展は4月25日に開幕。通常だと重文は多くても数点のみの出展だが、今回は資料館が所蔵・管理を委託されている重文を計12点展示する。6月7日までの会期中通して展示するものと、期間を区切っているものがある。
全期公開する重文には、金銅装双龍環頭大刀(京丹後市教委所有)がある。京丹後市久美浜町の湯舟坂古墳から出土。大小2対の龍が玉をくわえる図柄の環頭が、古代丹後の勢力がいかに大きかったかをしのばせる。いつもは精巧なレプリカを展示しているが、会期中は現物を間近で見て黄金の輝きを確かめることができる。
期間が短いものとしては、与謝野町の大風呂南1号墳から出土したガラス釧が10日まで。青いガラス製の腕輪だが、風化したり欠けたりせず完全な形で残っているものは全国唯一だという。外径9・7センチ、内径5・8センチ。1800年前そのままの輝きと透明感を残し、どんな人物がどのように身を飾り、暮らしていたのかなど、見る人の想像力をかき立てている。
資料館近くの籠神社の、精緻な装飾が施された扁額(室町時代)は前期(17日まで)。同じく籠神社の経塚から出土した経筒・鏡は後期(19日から)のみとなっている。
ほかにも、海と暮らす人びとの息づかいが聞こえてきそうな重要有形民俗文化財の「裂き織道行着」が全期。府指定文化財の明智光秀・細川藤孝・忠興連署禁制(成相寺所有、後期展示)、与謝野蕪村が描いた山水花鳥人物押絵貼屏風(個人所有、前期)など、丹後の歴史をさぐることができる計約50点で構成している。
入館料は大人200円、小中学生50円、65歳以上無料。月曜休館(大型連休は開館し、7日を休館)。電話0772(27)0230。
写真=完全な形で残る青いガラスの腕輪。奥は重文の青龍三年銘方格規矩四神鏡
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