春の褒章が28日、発表され、福知山市の手話奉仕団体の福知山手話サークル「こづち」が社会奉仕活動功績で緑綬褒章に選ばれた。発令は29日付。
「こづち」は、手話で福知山の福、幸福の福を、打ち出の小づちを振る姿で表現することから名づけられた。発足は1976年4月1日。市の手話講座を受講した60人ほどが、講座終了後も集まって勉強を続けたのが原点だった。初期からのメンバーで会長を務めたこともある寺川慎治さん(59)は「手話に慣れていないし、ろうあ者のみなさんとの接点も少ない。どんな活動をしていけばいいのか手探り状態でのスタートでした」と振り返る。
それでも、ろうあ者と言葉が一つ通じた、これも通じたと喜びを重ね増やして、会は今年40年目を迎えた。
聴覚障害を持つ人たちとの交流を続ける中で障害への理解を深め、だれもが住みよい社会になるようにと、障害者たちと一緒に行動してきた。それが実り、今では市内の様々な集会で手話通訳が付くようになった。
ろうあ協会の催しを手伝い、学校で子どもたちに手話を教えたり、市の手話入門講座を手伝ったりする。こうした活動で手話を知った人が、新たにメンバーに加わってくれるのだが、「敷居が高く思われがちなのが残念」と、現会長の足立祥子さん(29)。「奉仕活動をしなきゃいけない、手話を覚えなきゃいけないとか難しく考えず、自分に出来る範囲のことでいいので、参加してほしい」と望む。
毎週火曜日の夜、市総合福祉会館で開く学習例会は、20代から60代までの会員たち約30人が集まり、ろうあ者、会員が楽しく交流。そこにボランティア活動の気負いはない。
足立さんたちは「このような章をいただいて、うれしいというよりビックリしています。先輩たちが活動されてきた功績のたまもの。これを絶やさず続けていきたい」と話している。
写真=こづちの会員たちが手話で「ありがとう」
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