成美大学を活用した公立大設置について、福知山市議会は3月定例会で、設置準備費の予算案を承認した。これを受け、市は16年4月の開学を目指し、本格的に準備を進めている。しかし、現在も市民の間で意見が分かれており、22日に折り返し点を迎えた市議選(定数26、26日投開票)の大きな争点のひとつになっている。
両丹日日新聞の候補者アンケ−トでは、約6割の20人が「支持する」、2人が「どちらともいえない」、約3割の11人が「支持しない」という結果になった。
全面的に賛成する候補者がいる一方で、国や府、近隣市町との連携など条件をつける候補者もいて、同じ賛成の立場でも温度差はある。
有権者からは「公立大の設置問題を、明確に取り上げる候補者が少ない。この問題に、正面から立ち向かってほしい」との声も上がる。ただ選挙戦では、「設置に賛成ではあるが、税金を使うことになるだけに、訴えると票が流れるのでは」と、気をもむ陣営がある。
その半面、賛否を明確に打ち出すことで、賛成、反対派の市民の票の取り込みを図る陣営もある。
反対する候補者は「学生の確保に疑問が残り、市の財政に大きな影響を及ぼすことが見込まれる。市単独の設置は認められない」ときっぱり。
また、条件付きで賛成の候補者は「一部の票が離れる可能性はあるが、しっかり自分の意見を伝えたい」とし、「学部の内容と就職の面さえしっかりすれば、若者の定住につながるため、大学は残すべき」と、各地で持論を訴えている。
市は9月議会をめどに、公立大学法人の定款などを提案する計画。新たな顔ぶれで採決されることになり、もし議案が否決されれば、大幅な路線変更を余儀なくされる可能性もある。
市議選の結果は、大学問題の重要な鍵を握っている。
写真=成美大学の前を走る選挙カー
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