産学官連携で「メードイン北近畿」の新商品・技術の開発などに取り組み、地方経済産業の活性化を目指す組織「パワーオンネット」が発足した。中小企業の技術や知識を合わせ、大学や行政の支援も加えた横のつながりを作り、新たな成長戦略を構築する。
優れた技術や知識を持つ中小企業であっても、1社だけでは、開発や販路拡大ができない、資金がないなどの課題を抱えていることが少なくない。このため、他社との連携や外部の知見を加えることで、活路を見いだしていくのが狙い。
入退会自由で、会員登録した企業同士や、企業と学校などで商品開発、研究に取り組んだり、共通の課題解決に向けた部会を自主的につくることができる。将来的には、この事業による新商品・技術の誕生、海外進出も視野に入れる。
福知山市役所内にある市中小企業サポートセンターが調整役になるが、行政主導ではなく民間同士でつながっていける母体組織にしていきたいという。
現在は福知山、綾部両市の製造業を中心に民間企業32社が登録。今後は100社以上をめざす。
教育機関では、成美大学、京都工芸繊維大学、京都府立大学、舞鶴工業高等専門学校、府立工業高校、大江高校が名を連ねる。官公庁関係では近畿経済産業局、日本貿易振興機構、府などが加わり、9金融機関も入る。
福知山市土師のホテルロイヤルヒル福知山&スパで27日に設立記念式典が開かれ、関係者約60人が出席した。
冒頭で松山正治市長が「市域にこだわらず多くのみなさんで横のつながりを作ってほしい。新商品開発などで企業の付加価値が上がり、若者が働き定住できる好循環になれば」とあいさつ。民間企業、教育機関、官公庁、金融機関の各代表者が、パワーオンネットへの意欲を語った。
旧福知山女子高校校舎を使って分校開設を計画している京都工芸繊維大学の森本一成・副学長は「民間との共同研究を年間150件ほどしているが、もっと増やしたい。福知山では分校を計画しており、地域に定着し活躍できる若者の育成をめざしたい。うまく大学を活用していただきたい」と述べた。
竹村隆・日本政策金融公庫舞鶴支店長も「積極的リスクを取り、分かち合い、事業をする方をつないでいく役割を果たしたい」と力を込めた。
産学官連携を主題にした内山昭・成美大学学長らの講演に続いて、名刺交換会をし、さっそく会員たちが情報交換をした。
パワーオンネットの幹事を務める中本宏樹・福知山重工業社長は「うちは製造業ですが、例えばニーズ把握や販路開拓などはサービス業の方のほうが強い。1社では制限があることも、産学官連携でならばできることがある。新しい市場が見えてくると期待しています」と話していた。
写真=名刺交換をしてさっそく情報交換をする会員たち
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