成美大学の施設などを活用した新たな4年制大学の設置構想について、福知山市の松山正治市長が「市議会の承認を得た上で、市単独で大学を運営する公立大学法人を設置し、16年4月の開学を目指す」と、初めて明言した。

■新年度予算に設置準備費■

　20日に市役所で開かれた定例記者会見で公表。今後、卒業生の就職先の確保や学生募集などの協力を府北部の4市2町に要請していく方針も示した。市は、設置準備費を新年度一般会計当初予算案に盛り込む。

　会見では、有識者による公立大学検討会議（井口和起委員長）から提出された報告書を配布。これによると、「4年制大学が果たすべき役割は極めて重要」とし、「再生の手法として、適切なガバナンスのもとで運営される公立大学法人を設立し、新しい公立大学を設置することが、現状では可能性のある効果的な手法。開学時期は16年4月を目指すべきである」とまとめられている。

　さらに「学部・学科の名称だけを変更しても、教育の実態が変わっていなければ意味はない。新たな理念のもとで、市が必要とする大学像の実現を目指すのであれば、現状の教育課程を維持しつつ、教育に対する姿勢や手法の変革を優先的に着手されたい」と提言している。

　この報告書を踏まえ、嵳峩賢次・市長公室長は「市の構想案に若干の修正を加え、26日に開かれる市議会の4年制大学のあり方検討特別委員会で、基本構想の最終的な案を示したい」と話した。