地域の民話を広く語り伝え、商工業の発展につなげようと、福知山市の三和、夜久野、大江3町の商工業者らでつくる市商工会の女性部(上山恵津子部長)は、3町に伝わる民話を基にした大型紙芝居の製作を進めている。紙芝居の絵は3町の小学校が協力。児童たちがカラフルに描いている。
全部で5作品をつくる予定で、4月以降に女性部員たちが商店街、商業地域でのイベントや空き店舗などで披露し、地域の盛り上げに一役買う。
女性部では、各地域に残る民話を題材にした紙芝居を実演することで、地域活性化に寄与できれば−と、府の「意欲ある青年部・女性部への活動支援事業」を活用し、府商工会連合会の助成金を受け、今年度の事業で大型紙芝居作りを計画した。
絵は昨年5月に、小学校に依頼。大江町では美河、美鈴、有仁の3小学校、三和町は川合小、夜久野町は夜久野小が取り組みに協力することにした。
各校が校区内に伝わる民話を取り上げ、美河は「大江の蚕伝説」▽美鈴は「大江の酒呑童子」▽有仁は「もちくい峠」▽川合は「大原の蛇のひげ」▽夜久野は「涸れた温泉」を題材に絵を描いた。
どの学校も水彩絵の具やクレヨンなどを使い、色鮮やかに話の情景を描写。個性あふれる構図で、内容が良く分かる絵に仕上がっている。
■枠は地元の材料を使用■
絵は縦60センチ、横90センチの防水性のパネル板に拡大する。紙芝居を演じる際の舞台となる枠は、地域産業をPRする目的で、丹州材、丹後二俣紙、夜久野漆を素材に活用。頑丈な作りにしている。
基本的に3町地域で実施される催しや学校、老人福祉施設などでの上演を考えているが、依頼があれば旧市域でも披露したいという。紙芝居の貸し出しもする。
12日には、最初に出来上がった「大原の蛇のひげ」の紙芝居の完成披露が川合小(三和町上川合)であり、全児童の前で藤田尚美・女性部副部長(63)ら三和町地域に住むメンバー4人が来校し、全児童の前で紙芝居の製作について説明した。
絵を担当した1年生の加藤心彩さん(6)、北山恋桜さん(7)、2年生の大槻沙帆さん(8)の3人は「大きい絵になっていてびっくりしました。人を描くのが難しかったけど、きれいな紙芝居になってよかった」と喜んでいた。
他の小学校の児童が描いた絵の紙芝居も近く完成する予定で、女性部では今後、読み聞かせの練習をしていく。藤田副部長は「良い紙芝居が出来たので、いろんなイベントで実演し集客を図ることで、商工業の発展に役立てばうれしい」と話している。
写真=「大原の蛇のひげ」の紙芝居の出来を見る川合小の1、2年生3人
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