福知山市が設置している有識者による公立大学検討会議の第3回会合が13日、市役所で開かれた。前回に引き続き、市が成美大の校舎などを活用し、16年4月の開学を目指している市立大学の基本構想(素案)を議論。これまでに提示した学部と学科の名称を変更し、現行の2学科を1学科にする−という市の案について、委員から「時間に余裕がないので、学部、学科名ともに現行のまま公立化するべき」との意見が相次いだ。
この意見は、市立大の設置までに学生募集の準備や教学内容の検討など、やるべきことが多岐にわたるため、「学部や学科の変更をして、文科省との調整に時間を割くことはできない」とするもので、「開学して数年後に再編すればよいのでは」とした。
また隣接する短大部について、市は4年制大学の方向性を定めたあと、あり方を早期に検証するという考えを示した。
このことに対し、委員らは「もし短大部だけを切り離すことになれば、とても不自然」「仮に分離すれば、公立大学の設置者変更も、文科省の申請が通らなくなる可能性が高い」など、「公立化を4年制大学と同時に図るべき」とした。
■工繊大との相乗効果期待■
このほか国立大学法人京都工芸繊維大学(京都市左京区)が、成美大に隣接する旧福知山女子高校の校舎に北京都分校(仮称)設置を検討している件も、議題に上がった。
委員らは「相乗効果が期待され、非常に良い」としたが、「対等なパートナーとして力を持った大学にしないと、すぐに見切られる」といった意見もあった。
検討会議は全3回で、これが最終回。委員たちの意見は、井口和起委員長らが報告書としてまとめ、18日までに市へ提出する方針。報告書などを参考にして、市は今年度中に結論を出すことにしている。
京都工芸繊維大学の北京都分校設置構想について、松山正治市長は「大変喜ばしく感じている。4年制大学のあり方の方針決定にあたって、本件も踏まえ、総合的に判断していきたい」とのコメントを発表した。
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