使えなくなった道具を供養する「針供養の式」を、福知山市正明寺の福知山淑徳高校（山口剛校長）が続けている。毎年、針供養の日（2月8日）に合わせて続けている伝統行事。今年も9日に行った。

　体育館ステージに設けられた祭壇の前に、各学年の代表者が順に立ち、折れた針のほか、部活動で使った太鼓のばち、授業で使った包丁など、自身と関わる全てのものへの感謝の言葉を述べた。

　このあと、アパレルファッション系列の3年生8人と山口校長らが、校内の駐輪場近くにある針塚に、使い古した針をいっぱい刺したコンニャクなどを納めた。「最後は柔らかいものに刺して労をねぎらいたい」という思いで、コンニャクに刺すのが習わしになっている。

　振り袖を作るのに、針や糸などをたくさん使った岩下晴香さんは「ずっと使ってきたものだから、何だか愛着があります。卒業後は裁縫道具に触れる機会が減るので寂しい」と話していた。


写真＝雪の降る中、手を合わせて道具に感謝した