福知山市内で唯一、手漉き和紙作りを続ける大江町二俣、田中製紙工業所で5日、和紙の原料となる落葉低木、コウゾの皮の天日干しが始まった。例年だと1月初めから取り組むが、今年は雨や雪の日が多かったことから、1カ月遅い作業開始となった。
二俣地区では江戸時代から手漉き和紙作りが盛んで、明治から昭和初期にかけては200戸余りが操業していたが、洋紙の普及などで減り、現在は田中製紙だけとなっている。
■水害やシカ害で収穫量が半減■
田中製紙では、町内など4カ所でコウゾを栽培しているが、昨夏の8月豪雨での水害やシカによる食害で今季は収穫量が激減。例年の半分の2・5トン程度になるとみている。
コウゾは皮の内側の繊維部分が原料となる。約1・3メートルの長さにそろえ、木製の桶の中で蒸したあと皮をはぎ、高さ約5メートルの稲木2基に掛けていく。2週間ほど乾燥させる。
田中製紙の5代目、田中敏弘さん(53)は「一昨年に続き、昨年も水害に見舞われ、収穫量が減っていますが、以前に収穫したコウゾの皮が残っているので、1年分の材料は確保できそうです」と話している。
天日干しに適しているのは、天気が良く冷たい風が吹く気候で、作業は3月中ごろまで続く。
写真=蒸したあとのコウゾが稲木に掛けられている
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