新型インフルエンザ患者が府内で発生した−との想定で、行政と医療機関合同の模擬訓練が29日、福知山市の府中丹西保健所と市立福知山市民病院で行われた。府中丹広域振興局が主催し、保健所や市、市民病院、市消防本部などから約50人が参加。いざという時に備え、患者の搬送手順や各機関の対応などを確認しあった。
ある国で新型インフルA(H7N9)ウイルスの感染が拡大し、WHOが「公衆衛生上の緊急事態に該当する」と公表。中丹西保健所に「帰国者・接触者相談センター」、福知山市民病院には「帰国者・接触者外来」が設置された、との想定のもとで訓練した。
感染が拡大する国から帰国した男性が、2日後に発熱し感染の疑いがあるとして同センターに相談し、府の搬送車で市民病院に運ばれた▽妻が感染して入院中で、精密検査によって夫も感染していることが判明し、救急車で搬送された−という2つのケースで取り組んだ。
■初めて救命救急センター使用■
感染の疑いがある人のケースでは、初めて市民病院に併設した救命救急センターを使用。室内の空気が外部に流出しないようにする陰圧室で、医師が診察し、簡易キットで検査した。また疫学調査や搬送車の消毒、防護服の脱衣訓練などもした。
府中丹西保健所の井戸田望所長は「感染が拡大している国からの帰国者、または国内にいても感染者と接触した人は、まず保健所に連絡してほしい。さらに該当者のうち、発熱や体調不良など新型の疑いがある場合も、感染の拡大を防ぐため、直接病院に出向かずに、保健所へ電話で相談を」と話していた。
写真=感染の疑いがある人への診察・検査訓練をする医師
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