京都府北部と兵庫県北部を走る北近畿タンゴ鉄道(KTR、本社・宮津市)の名称が、4月1日からの運行会社の変更に合わせ「京都丹後鉄道(略称・丹鉄)」に変わる。運行を担うウィラー・トレインズ社(大阪市、村瀬茂高社長)が29日に発表した。路線名の一部や7駅の名称を変更し、多彩な企画乗車券を発売するなど、利便性の向上と収益アップをめざす。
「交通革命とまちづくりの連携で、地域の価値を向上させる」のが目標。
地域に愛される鉄道をめざし、公共交通と連携した沿線のまちづくりを推進するため、鉄道とバスの運行ダイヤに連続性をもたせる▽公共交通のない地域への新たな交通サービスを開発▽ウィラーグループの部門、業務の沿線への移転で若い人の雇用機会の創出▽沿線の教育機関と連携した交通や街づくりを担う人材育成などを掲げている。
■「宮福線」はそのまま■
路線の通称名は「宮福線」(宮津−福知山)は変えないが、「宮津線」は「宮舞線」(西舞鶴−宮津)と「宮豊線」(宮津−豊岡)に分ける。
駅名は福知山市内の「厚中問屋」を「福知山市民病院口」にするほか、「野田川」を「与謝野」、「丹後大宮」を「京丹後大宮」、「木津温泉」を「夕日ケ浦木津温泉」、「丹後神野」を「小天橋」、「甲山」を「かぶと山」、「但馬三江」を「コウノトリの郷」にする。運賃は変わらないが、ダイヤは一部変更する予定。
■企画乗車券を発売■
家族旅行、地域のイベント参加、通院・通学などさまざまなシーンに合わせた新たな企画乗車券を多数用意。新商品として「開業記念フリーきっぷ」「丹後のきらめき 会席弁当ディナー列車」「週末ファミリーパス」「55&キッズ全線パス」「お花見フリーきっぷ」「福知山スイーツフェスきっぷ」などの販売予定を発表した。
京都府と兵庫県の114キロを走るKTRは、宮福線が1988年、宮津線が90年に開業した。しかし、沿線人口の減少で乗客は減り、13年度はピーク時の6割の約187万人に減少。経常赤字も同年度は過去最多の約8億9千万円になった。このため、経営改善策として運行を民間事業者に委ね、基盤をKTRが保有する「上下分離方式」の採用を決め、公募でウィラー社を選んだ。
同社は、運行開始とともに、本社を大阪市から宮津市に移す予定。15年度に乗客を210万人に増やすのを目標としている。
写真=4月から駅名が「福知山市民病院口」になる「厚中問屋」
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