福知山市猪崎、三段池公園内にある市動物園（二本松俊邦園長）で飼育されているシロテテナガザルの山ちゃん（雌・7歳）が同じく桃太郎（雄・11カ月）に抱きつくなどして親密な関係にあり、話題になっている。2匹は「おい」と「おば」の関係ではあるが、まるで姉弟のように仲の良いところを見せている。
　

　山ちゃんが桃太郎に抱きつくようになったのは昨年8月終わりごろ。二本松園長が、2匹がどういう反応を示すか、桃太郎を屋外の飼育場にいる山ちゃんに近付けたところ、山ちゃんが桃太郎を優しく抱きしめた。
　
　その後暖かい日に、山ちゃんと桃太郎を一緒にすると、仲良く遊ぶようになり、飼育場の鉄棒にぶら下がって移動する桃太郎を山ちゃんが追いかけ、つかまえて抱きしめたり、えさを分け合って食べたりする姿が見られるようになった。
　
　桃太郎の母親の福ちゃんは、山ちゃんの長姉にあたる。通常なら桃太郎は福ちゃんが育てるが、乳が出なかったため、人工飼育に切り替えられ、日中は園の事務所で育てられている。
　
　2匹が一緒に遊ぶ際、山ちゃんが桃太郎にちょっかいを出し過ぎて、桃太郎が嫌がって逃げることもある。山ちゃんは桃太郎を「弟」として認識しているようで、四六時中そばにいる親子の関係と違い、無理やり桃太郎を引き離しても怒ったりはしない。
　
　二本松園長は「山ちゃんが子どもを産むまでは、この関係が続くのではないでしょうか。将来は2匹を隣同士の囲いの中で飼育することも考えているので、今から仲良くしてもらえればうれしい」と話している。
　
　
　写真＝桃太郎（右）を抱きしめる山ちゃん