福知山市夜久野町末の府道談夜久野線沿いの建築業者敷地内に、ダミー(作りもの)のパトカーが置かれ、道行くドライバーに注意を促している。横幅を除いてほぼ実物大で、色や形も本物そっくり。朝夕の通勤時間帯には屋根上の赤色灯が点灯する仕掛けで、交通安全や防犯に一役買いそうだ。
このパトカーを製作したのは、末の太陽工業社長、衣川巧さん(47)。02年に旧福知山市域と夜久野町間を結ぶ同線のゆずりトンネルが開通し、その後、拡幅工事が進むとともに交通量が増え、さらに、同社が重機を盗まれる被害に遭ったため、たまりかねて対策を練った。
効果的なものをと考え、警察と相談し、許される範囲内でダミーパトカーの製作を決意。交通取り締まりなどで見張っている様子を再現するため、本物に見えるようなものを手作りすることにした。
自社の倉庫内で昨年8月から作業開始。マイカーをもとに設計図を作成し、長さ約4・8メートル、赤色灯部分を含み高さ約1・8メートル、幅約60センチのものを約5カ月かけて仕上げた。
ボディーはベニヤ板で組み立て、その上に鉄板を張って質感をもたせた。白黒のツートーンカラーに塗り、本物のホイール付きタイヤ4本を取り付けている。側面には「安全運転」などの文字を書き入れている。
かなりの重さがあり、昨年暮れにクレーンを使って倉庫から運び出し、道路沿いに据え付けた。
設置してから数日間は、ずっと止まっているパトカーを見て、何を見張っているのか不思議に思った地元住民が、次々に見学に訪れたという。
衣川さんは「談夜久野線は国道9号のバイパス的な存在となり、トンネルの開通前に比べると交通量は5、6倍に増え、他府県ナンバーの車も目立ちます。猛スピードで駆け抜ける車もあり、交通事故が心配です。ドライバーの交通安全意識の向上につながれば」と話していた。
写真上=道路沿いに置かれたダミーパトカーと手作りした衣川さん
写真下=朝夕の通勤時間帯は屋根上の赤色灯が点灯する
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