ふるさとのことを学ぶため、総合的な学習の時間に漆を勉強している福知山市夜久野町高内、小中一貫校・夜久野学園の4年生16人が、近くの夜久野高原で漆の苗木を植栽した。漆がとれるのは10年後。児童たちがちょうど成人式を迎える年とあって、「大人になって、またここへ来たい」と夢を膨らませていた。

　4年生は様々な方法で漆を学んでいて、1学期には道の駅農匠の郷内にある、市やくの木と漆の館で、漆の絵付け体験もしている。

　植栽をしたのは、ＮＰＯ法人丹波漆が開墾した約30アールの土地。110本を植えることにしていて、このうち児童の人数分、16本を16日に子どもたちが植えた。

　ＮＰＯの岡本嘉明理事長に苗木の説明受けてから、スコップを手に開墾地へ入り、手分けして植樹。丁寧に土をかけていった。小林駿介君と日下璃空君は「大人になったら自分たちも漆をとる漆掻きをしてみたいです」と話し、岡本理事長は「成長を確かめにたびたび立ち寄り、ぜひ自分たちで掻いた漆で二十歳の記念品を作ってほしい」と、笑顔で作業を見守っていた。


写真＝漆の苗木を植える子どもたち